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第一次大戦への米国参戦を決定づけた暗号をめぐる駆け引き、 太平洋戦争中に米軍で利用されたアメリカ原住民ナヴォホ族の言語による暗号、 ヒエログリフや線文字 B といった失われた古代文字の解読など、歴史や国際関係 といった観点からも面白い。というより歴史や国際関係という観点からこそ読んで おいた方がいいと言うべきか。 歴史上暗号利用における優勢は戦略的に相当に重要だったのだから。
また、暗号が解読されてもそのことは秘密にされてきたこと (解けないと言わ れていることに安心しちゃダメ)、強固そうな暗号が人を安心させるとともに思わ ぬ落とし穴になること (背後にも気を付けよう)、暗号自由化の問題は大衆が恐れ るのが政府なのか犯罪者なのかによって揺れるであろうこと (自由の管理は誰の手 に?)、などに関する話題も興味深かった。ただ、注や参考文献一覧がないのは原著 もそうなのかもしれないけど残念。
今さらだけど、暗号規制とセットになっていない 通信傍 受法って実際の成果はどうなっているのかな。 調べてみるとその第二十九条に従って傍受に関する公表 (例) がされているが、これだけでは当該被疑者の検挙が 傍受の成果なのかどうかはちょっと分からない。 また傍受した内容が暗号だった例があるのかについても分からない。 なお、傍受した通信が暗号で解読できない場合は、 第二十二条第二項第二号によってその通信の内容は記録されるけど、 その記録は第二十九条の公開項目からは外されている。 うーん。いずれにせよ 通信傍受法は将来の暗号規制の布石としても 必要な一段階ということなんだろう。
外国語による通信又は暗号その他その内容を即時に復元することができない方 法を用いた通信であって、傍受の時にその内容を知ることが困難なため、傍受すべ き通信に該当するかどうかを判断することができないものについては、その全部の 傍受をすることができる。この場合においては、速やかに、傍受すべき通信に該当 するかどうかの判断を行わなければならない。
犯罪捜査のための通信傍受に関する法律 第十三条第二項
現在一般的な暗号は少なくとも速やかに解くことはできないけど……。 結局布石ということなら、暗号を使わない普通の人にとっては、 相対的に今はより損な段階だということか。
2005/02/19 (Sat) 22:34 | タグ: book